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技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO46

「安全を持続的に確保するための 今後の河川管理のあり方について」です。


■河川の管理における現状の課題
河道は、絶えず変化していく。堤防は、構成材料が多様であり、基礎となる地盤の地質も場所ごとに異なる。漏水や洗掘といった現象も場所ごとに異なる。河道と堤防を主たる対象にする河川の管理は、人工構造物を管理の中心とする他の社会資本施設の管理とは本質的に異なる。多くの中小河川では管理の経験も浅く、規模や重要度も多様であることから、管理に関する知見の蓄積は十分でない状況。
・管理体制・管理技術
河道や堤防等の状態把握が中心となる河川の管理においては、基準化が進んでも依然として現場での経験に基づいた適切な判断を必要だが、経験ある技術者の確保は困難
河川管理での民間企業、市民団体等が果たす役割は増しているが、河川の管理と連携して持続的な活動が行える体制は十分でない。地域の建設業者は、災害時の対応のみならず日常の維持管理の対応力が大きく低下する状況が生じつつある。
・河川構造物の機能・安全性
盛土の堤防を除く河川管理施設や許可工作物のうち、建設後40年以上を経過するものの割合が国管理河川において4割を上回る等、河川構造物 の経年劣化が進みつつある。点検・診断により劣化部位を把握し、劣化状況に応じて必要な補修等を行うという状態監視型の予防保全に移行する方向性が打ち出され、長寿命化計画の作成も進められている。
・河道システム
自然の営力により変化する河道においては、個々の施設の安全性等が施設の上下流等の一連の区間の河道と相互関係を有する。一連の河道システムとして安全性等を評価して対策を講じれば、より効果的に安全を持続できる。
・中長期のマネジメント
投資の面で中長期にわたるマネジメントとして各施設を維持管理・更新する事業と新設や改良等の様々な事業を連動させる取組が必要。河川の管理の必要性や重要性、さらには抱えている課題等について地域の理解を得るためには、まず河川の流下能力や施設の安全性等、現況の管理状況について地域と共有することが重要。
・河川環境
河川環境は、洪水等の作用によってダイナミックに変化する河道を基盤 として、時空間的に変化する流水の作用や治水・利水のために行われる様々な働きかけ等によって変化する。したがって、河川環境の整備と保全は治水・利水と一体不可分のものとして捉える必要がある。しかしながら現状では、洪水等の自然現象や河川の管理に伴い河川環境がどのように変化するか科学的に十分解明されていないことや、河川環境の評価手法が確立していないことから、河川環境の管理目標を具体的に設定しづらい状況にある。
・出水時の施設機能
出水時に最低限の機能は確実に発揮されるよう構造を強化。
・地域の防災力
河川の管理上の危機対応力を高めるだけではなく、沿川の地域の防災力を高めることが必要。地域における現況の水害リスクを評価し、これを地域と河川管理者で共有した上で水災害に対応することが重要。水防活動を担う水防団の減少と高齢化に対して、河川の管理と水防の関係を強化 し、広域・大規模な水防活動等を支える効果的かつ効率的な仕組み等を構築。災害弱者施設等に関するリスクの評価と共有、リスクに基づく避難の検討や浸水対策等の実施。
・資源・エネルギー
堤防や河川敷の草本植生や樹木を、農業や畜産業に、あるいはエネルギー資源として活用。小水力発電など、水利使用手続の簡素化・合理化が指摘。
・利活用の担い手
限られた財源、人的資源の下で持続的に安全を確保していくためには、 河川管理者による河川の管理に連携・協力するように、広く民間活力を活かして担い手を広げていくことが必要。

今日のコラム

映画「キングダム」を見ました。
ストーリーは単純でしたが、スケールの大きな映画でした。中国の広大な城郭や8万の軍隊のシーンは圧巻でした。俳優陣の演技もなかなかのものでした。特に長澤まさみさんの存在感を非常に強く感じました。第2弾もありそうです。次にも期待しましょう。