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技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO37

河川のデザインの続きです。

 

■骨格のデザイン
河川の景観は、水の流れ、瀬や淵、河原等の微地形、堤防や河畔林、周辺の建物や背景となる山並み等、多くの要素から構成されている。これらの要素の多くは、一つ一つが無関係に存在し、配置されているものではなく、河道形状や川と人との関わりを含めたまちづくり等によって規定される河川とその周辺の空間構造が大きな骨組みとなり、その中で個別の要素が存在している。したがって、河川の景観を考える際には、これら個別の要素について、その形や色彩、素材を整えることを考えることも必要だが、河川の骨格ともいうべき、平面形状や計画流量を流下させるための横断面形状等の河道形状周辺の土地利用等、河川とその周辺の空間構造の形成や維持管理について考えることも大切である。河川景観の形成と保全においては、当該箇所に対する配慮だけではなく、下流も含めたスケールで河川およびその周辺の空間に影響を及ぼす事項について配慮することが大切であり、これを、河川における骨格のデザインと呼ぶこととする。

■場のデザイン
1.「場」のデザインとは
河川の微地形や構造物の配置、規模、形状、材質、色彩等を考え、ある場所における河川空間を整えるデザインのことを「場のデザイン」と呼ぶこととする。「場のデザイン」の対象は、河川整備計画等に基づき個々の地先で検討される一定区間の改修計画や具体的な河川管理施設等の計画・設計等である。具体的には、堰や堤防等の構造物の設計、ある場所における構造物や植物等の配置計画等が該当する。
・立体的デザイン(平面図や断面図のうえでデザインを行うのではなく、立体的な河川空間のなかでデザインを行う)
・連続と分節のバランス(輪郭線を曖昧にしたり、まとまり感を明瞭にしたりする等、空間の連続や分節が適度にバランスするようなデザインを行う)
・風土にあった色彩や素材(自然の営みや人々の営みが形成した風土にあった色彩や素材を用いたデザインを行う)
・自然の形態の理解と表現(自然の営みの上に成り立っている河川空間の形態を理解し、それを活かしたデザインを行う)
・人々の利用への配慮(人々の利用が考えられる場所については、活動のしやすさ、居心地の良さ、動線等を十分に考慮したデザインを行う)
2.地域性と場のデザイン
河川景観は、流域の自然の営みや人々の営みが相互に関係しながらかたちづくられてきたものであり、流域や地域の自然の特性や社会の特性が多様であるように、極めて地域性が高く、それが個々の河川における景観の特徴となっている。場のデザインにおいては、その河川の地域性を理解し、特に配慮すべき特徴を把握したうえで、具体的な方策を考えていくことが大切である。
3.都市空間と水辺のデザイン
都市を流れる河川や水路等の水辺は、河川周辺の建築物、都市空間の多様な表情、利用 に合わせてデザインを行うことが大切である。 都市における水辺のデザインにおいては、都市特有の課題があることから、特に以下の 点に配慮することが大切である。
・都市計画との連携
・都市空間の魅力の向上
・周辺の建築物との調和

今日のコラム

川辺に咲くきれいな桜です。

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