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技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO36

河川のデザインの続きです。

 

■流域の連携の視点
●まちづくりとの一体的な取り組み
まちづくりの上位計画である都市計画等における河川の位置づけを明確にすることや、河川の計画・事業面でまちづくりと一体的に実施すること等により、良好な河川景観の整備や保全と調和したまちづくりを誘導する。

●河川周辺の景観資源の活用
特に用地に余裕のない中小河川において、緑地、公園、寺社等の河川周辺の景観資源を取り込んだ景観形成をはかる。

●景観法の活用
景観法における景観計画区域や景観重要公共施設(河川)等の指定に積極的に関与することにより、河川を軸とした景観計画を作成する。

河川景観は、自然の営みとともに、その地域に住む人々が暮らしの中で時間をかけて形成してきたものである。一方、河川は、河川法において、災害の発生の防止、適正な利用、流水の正常な機能の維持、河川環境の整備と保全を目的として、河川管理者が適正に管理を行うこととされている。このように、河川景観は、河川管理者と地方公共団体や市民、企業等のパートナーシッ プにより形成されていることを理解することが大切である。
河川景観の形成と保全における市民の役割は大きい。良好な河川景観の形成にあたっては、単に物理的に河川の景観要素を保全したり、構造物のデザインを工夫したりすれば良いというものではない。漁業やヨシの刈り取り等の生業、魚釣りや水遊び、信仰や祭り等、そこにいきいきとした人々の活動があればこそ、河川景観は地域に根ざしたものとなり、 人々が川にふれあう姿が、その地域の文化となる。つまり、その地域の市民こそが、その地域の河川景観を後世へと継承する第一人者であるということができる。
河川管理者や地方公共団体、市民、企業等、河川に関わる様々な人々がパートナーシップに基づき河川景観の形成と保全を推進していくためには、特に以下の点が大切である。
(1) 各主体の多様な関わりを再認識する
(2) 情報を共有してお互いを理解する
(3) 多様なパートナーシップで取り組む
(4) プロセスを重視する

■河川景観の調査と計画
河川景観の調査と計画は、その河川景観の特徴を把握し、その河川の景観をどのように
していくか、河川全体での河川景観の計画を検討するものである。河川景観の調査と計画を実施する際には、以下の手順を参考に、個々の河川の特性に応じて実施すること。

これまで主に治水・利水の面から、河道の法線形、横断形状、流量等が決定されており、これらの計画は河川景観に大きな影響を与えてきた。流量配分計画、河道法線計画を検討する際や河川の計画だけでなく周辺の土地利用やまちづくりの計画等と調整をはかる際に、河川景観についても総合的に考慮することが必要である。

(1) 河川景観を読む
・ 河川景観の情調(全体的な雰囲気)をつかみ取り、何が大切なのかを言語化して表現すること
・その河川景観の成り立ちについて、自然や歴史・文化の視点から分析すること

(2) 河川景観の目標を考える
河川景観の調査に基づき、その河川の景観的特徴を明らかにしたうえで、上流から下流までを連続した空間として自然を基調としつつ歴史・文化に配慮した河川景観の形成と保全の目標を、以下の手順で検討する。

○河川景観の理想像を描く
河川景観の目標を考えるに先立って、以下の視点から、その河川における景観の理想像を描く。
・現在良好な河川景観が見られるところについては、その景観を保全することを基本とし、可能であればさらにより良い景観を再生・復元する

・現在良好な河川景観が失われているところについては、過去に有していた良好な河川 景観の再生・復元もしくは流域の将来像に見合う新たな河川景観の創出をはかる。
○河川景観の目標を設定する
河川景観の理想像に基づき、治水や利水、河川環境に関する計画や、流域の計画を総合的に考慮したうえで、現実的な方策の中で、保全すべき景観、復元・改善すべき景観、創出すべき景観を明確にし、「河川景観の目標」を設定する。

○重要景観区間の目標を設定する
特に河川景観の形成や保全をはかる必要性の高い一連の区間がある場合には、「重要景観区間」として抽出し、その景観の形成や保全の目標を設定する。重要景観区間は、河川だけでなく地域と一体となって景観の形成と保全を進めることが望ましい

○河川景観の形成と保全の方策を考える
方策を設定する際には、その河川の持つポテンシャル(地形、規模、人々との関わり、文化等)を理解したうえで、現地の状況を十分に確認し、市民、行政、専門家等が協働して考えることが大切である

○河川景観の形成と保全の方策を検証する
重要景観区間では、河川だけでなく、地域と一体となった良好な河川景観の形成と保全を行うことが望ましいことから、この配慮事項の設定にあたっても、河川だけでなく、地域づくりの視点で河川周辺の建築物等の規制誘導を含めて検討することが重要であり、また、河川周辺の地方公共団体や他行政部局、市民等との協力が不可欠である。
河川景観の形成と保全の方策については、設定した目標が達成されたかどうかを評価し、実施した内容が目的に添っていたかどうか、あるいは時間とともに劣化していないかどうかを検証し、必要に応じて方策の改善をはかっていくことが大切である。

 

今日のコラム

広瀬一郎さんの本に書かれてた「課題解決のフロー」です。

技術士試験もこのとおり記載していけばよいのではないでしょうか。

1 問題点に気づく

2 その問題を客観的な事実で把握する

3 それが何故問題なのか、を考える(課題が見えてくる)

4 「成果(ゴール)」の定義・設定ができる

5 「シナリオ(段取り)」案を検討し優先順位を決める

6 具体的なシナリオ(段取り)を決定し、戦略を実行する

7 評価・フィードバックし、次につなげる