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技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO27

 

前回の続きで、西日本豪雨の対策について記載しました。

●対策
河川と砂防が連携した取り組み。山間部の谷の出口には土石流を抑える砂防堰堤を、河川の上流には土砂を補足する貯留施設を、下流では洪水や土砂が円滑に流下できる断面の河道をそれぞれ整備する。
小規模渓流には、下流の保護や袖部の処理を簡略化した「脱・指針」による整備の促進
既設の本提にできるだけ手を加えず、流木を補足できる方法による流木対策の促進。既設の不透過園庭に流木機能を追加する方法としては、「副提タイプ」「張り出しタイプ」「切り欠きタイプ」「かさ上げタイプ」などがある。

想定を上回る大規模な土石流に対しても損傷は許容するが、土砂をきちんと受け止めることが可能な粘り強い砂防施設とするために、鉄筋コンクリート砂防堰堤、上流側に砂やソイルセメントなどの緩衝材の設置など、施工性や維持管理性、経済性など考慮して現実的な設計方法とする。

防災を軸に地域のコミュニティーを取り戻す。
災害に強い社会や地域のコミュニティーの回復。インフラ整備が進んだことで、国民が行政に依存するようになり、防災の責任を全て行政に押し付ける社会となり住民の当事者意識の欠如することになった。人間は1人で逃げることは難しいが、地域内の人々を助けたいと思えば皆で避難が可能。土木技術者は社会の基盤を守るという原点に立ち戻り、防災を軸としたコミュニティー作りに関わっていくことが大切。自分や家族の命は自分で守ると言う社会風土を築いていく。

被害を拡大させた要因を解明するとともに、被害を軽減した可能性のある整備効果も把握し検証結果を次の豪雨災害に生かす。

西日本豪雨を受けての主な論点
ハード対策
・バックウォーター対策や内水浸水対策の推進
・緊急的な河川の浚渫と樹木の伐採など
・洪水調節能力の早期向上(下流河道整備とダム再生の一体的実施など)
・土砂・洪水氾濫対策の推進(有砂地の整備)
・安全な避難の場所と経路、避難時間の確保対策や重要なライフライン保全など
ソフト対策
・避難行動に結びつくリスク情報の伝達と浸透
・身近に迫る危機を認識し、避難行動につなげる仕組みの構築など

2019年予算の概要
水防災意識社会の再構築に向けた水害対策
河川の氾濫などに社会全体で備えるためのハード・ソフト一体対策
・計画的な堤防のかさ上げや浸透対策など
・越水から決壊までの時間を引き伸ばす堤防構造の工夫
・水害被害地域での集中的な再発防止策
・生産拠点の保全など社会経済被害を最小化する水害対策
・高規格堤防の整備
・水害対応タイムラインの策定などによる避難警戒体制の構築
・要配慮者利用施設の警戒避難体制の強化
・大規模水害を想定した早期復旧のための排水対策
・河川やダムに入る流木などの効率的な処理
・背後に人や財産が集中する海岸の保全施設の整備など
・地下鉄の浸水対策
・都市の下水道浸水対策の支援
・既存ダムを徹底活用するためのダム再生
・中小河川の洪水に対処するための雨水貯留などへの支援

災害対応能力を強化する防災情報の高度化
防災上必要な気象情報などを的確に把握・提供し行政や住民の災害対応能力を強化する
・台風などの予測精度向上による防災気象情報の高度化
・簡易型河川監視カメラの開発と新たな洪水予測システムの導入による洪水の見える化
・水災害の減災・防災技術の研究開発と実装に必要な基準などの整備
・次世代型流量観測の導入による河川観測体制の高度化
・水の安定供給を実現するための渇水対応タイムラインの策定
・地域防災力向上のための気象情報の共有など自治体との連携強化
ハザードマップの改良やリスク情報などのオープンデータ化

 

今日のコラム

自ら深く考え、問題を発見し
解決しようとする姿勢は、人間を大きく成長させる。
また、それを繰り返していくことによって
徐々に力がつき、ほとんどの問題を
自ら解決できるようになる。

 

目標が高いほど、早く達成させるためには
それに見合う努力、工夫をしなければならない。
高い目標を持てば、それだけ能力も高まり
人間的にも成長できる。