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技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO40

大規模広域豪雨を踏まえた 水災害対策のあり方について
~複合的な災害にも多層的に備える緊急対策~


平成30年の災害の概要
西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的豪雨が発生した。その結果、広域的かつ同時多発的に河川の氾濫や土石流等が発生し、200 名を 超える死者・行方不明者と3万棟近い家屋被害に加え、都市中心部での電気や上下水 道等のライフラインや交通インフラ等の被災によって、甚大な社会経済被害が発生した。
課題
○現行施設能力を上回る水災害等の発生
都道府県管理河川のみならず国管理河川においても施設能力を上回る洪水となって、十分な安全度が確保されていない区間において氾濫が発生した。
・一部のダムでは、洪水調節容量を使い切り、ダム下流においても氾濫が発生した。特に、下流河川の流下能力不足によって暫定的な操作を行っているダムでは、洪水調節容量を使い切るタイミングが早まった。
・多量の降雨によって、広域的に内水氾濫や土石流等が発生した。

○複合的な要因による水災害の発生
・バックウォーター現象等による洪水氾濫や内水氾濫、土砂・洪水氾濫等の複合的な要因による水災害が発生した。
○気候変動等による水災害の激化
・気候変動等による豪雨の増加傾向は顕在化しており、今回の豪雨においても「地球温暖化に伴う水蒸気量の増加」が寄与したとされている。今後、ますます影響が増大することが予測されており、豪雨の頻発化・激甚化が懸念される。

○逃げ遅れによる多数の人的被害
・市町村の避難情報が発出され、ハザードマップ等により土地のリスク情報も提供されていたが、一部では、その重要性や意味が十分に理解されず、避難行動を決断できない住民が存在し、高齢者を中心に人的被害が発生した。
・避難時に周辺が危険になっていて円滑に避難できない場合や、避難中の被災も見られた。

○施設の操作情報の活用
・一定規模の豪雨に対しては、治水施設によって地域の安全が確保されているが、能力を超過した豪雨が発生した場合、被害が発生することが住民に十分理解されていない。また、そのような状況になった場合の土地のリスク情報やリアルタイムの施設の操作情報なども住民に提供されていない。

○地域の社会経済被害
・地域の防災拠点や医療福祉施設、電気や上下水道等のライフライン、鉄道や道路等の交通インフラが被災したため、地域の円滑な応急対応や復旧に支障が発生した。

対策の基本方針
① 社会経済被害の最小化や被災時の復旧・復興を迅速化する取組
・社会経済被害の軽減や早期の復旧・復興のため、民間事業者による事前の浸水被害の防止・軽減対策の強化と連携に加え、ライフラインや防災上の重要な拠点の 保全対策の推進や、電源の二重化や復旧資材などの被災時の最低限の機能維持や早期復旧対策を強化

② 気候変動等による豪雨の増加や広域災害に対応する取組
・気候変動等の影響による豪雨の頻発化・激甚化は既に顕在化しているため、緊急的に対応策を講じるとともに、今後想定される気候変動等の影響の増大に対して計画的かつ段階的な安全度の確保とともに、モニタリングと維持管理の高度化を推進。さらに、広域的な災害への備えや住まい方の改善等を推進

③ 技術研究開発の推進
・気候変動等による豪雨の激甚化や社会状況の変化などから、被害が発生するメカニズム等について科学的に明らかにするとともに、効果的な防災・減災に関する 技術開発を推進

 

今日のコラム

松江城に行きました。松江城天守閣が国宝である5つの城(姫路、松本、彦根、犬山、松江)のひとつ。立派な石垣と堀を眺めながら天守閣へ外観は4重、内部は5階の天守でした。建物の中は薄暗く階段は急でしたが、立派な柱印象的でした。最上階からは松江の街が一望で、宍道湖までよく見渡せました。

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松江城天守閣からの眺め