技術士（河川・砂防及び海岸）受験に役に立つブログNO39
今日は、健全な水循環についてです。
水循環系を取り巻く状況変化と問題点
• 気象の変化
• 急激な都市化・産業の集中及び都市域拡大
• 土地利用の変化
• 産業構造の変化
• ライフスタイルの変化（多消費型社会への変化等）
• 経済の高度化、効率性重視
• 過疎化、高齢化、少子化の進行
• 国民ニーズの多様化
要 因
• 少雨化傾向、多雨・少雨の較差拡大
• 流域のかん養機能、保水・遊水機能、自然浄化機能の低下
• 渇水に対する社会・経済の弾力性低下
• 各種用水需要の増大
• 水質汚濁負荷の増大、汚濁物質の多様化
• 安全な水、おいしい水のニーズの増大
• 各種施設の整備等による水循環系の変化
• 水面・水辺空間・緑地空間の減少
• 地下水の過剰取水
• 地域における水管理体制の弱体化
水循環系の問題点
• 平常時の河川、水路の流量の減少
• 水需給の逼迫、渇水の頻発
• 都市型水害の多発
• 洪水・渇水被害ポテンシャルの増大
• 非常時の用水確保の困難化
• 水質汚濁の進行と新たな水質問題の発生
• 地下水位低下、湧水枯渇、地盤沈下
• 都市におけるヒートアイランド現象の一因
• 生態系への影響
• 親水機能の低下、水文化の喪失
健全な水循環とは
流域を中心とした一連の水の流れの過程において、人間社会の営みと環境の保全に果たす水の機能が、適切なバランスの下にともに確保されている状態。
健全な水循環系構築のための施策の基本的方向
(1) 流域の視点の重視
単に問題の生じている箇所・地先のみに着目するだけではなく、流域全体を視野 に入れ、流域全体あるいはサブ流域単位の視点で検討すること
(2) 水循環系の機構把握、評価及び関連情報の共有
健全な水循環系構築のための施策の推進に当たっては、流域の水循環機構を解明・把握し、流域の自然、社会条件を踏まえ、水循環系の健全性の実態を把握し、問題点を抽出するとともに、その具体的問題点に即した効果的、効率的な施策を講じることが必要。 水循環系の健全性を評価するに際しては、これを如何に評価すべきか、手法の確立も含めた多面的な検討を進めるとともに、水循環系に密接に関連する情報も含め、流域の各主体が水循環系の情報を共有することが必要。
(3) 流域における各主体の取り組みの推進（役割分担、連携、計画策定等）
流域における効果的な取組のためには、流域ごとの特性に応じ、流域内の行政・住民・ 事業者・ＮＰＯ等の各主体が連携し、それぞれが主体的に取り組むことが必要である。
具体的には、流域内の各主体が健全な水循環系に関する理念と当該流域における問題 点に関する認識を共有するとともに、各主体の適正な役割分担を踏まえ、住民や事業者 等が自主的に取り組むことを推進するとともに、行政も含めた連携が必要
水循環計画の策定
計画の視点
① 水循環系は、河川を中心とする自然系の経路と上水道、下水道、農業用水路等の人工系の経路が互いに影響し合いながら形成されていることから、これらを一体として捉える視点が重要である。
② 水循環の状態は、降雨等の自然現象により大きく変動することから、平均量のみならず日常的な現象と非日常的な現象の双方を捉える視点が重要である。
③ 水循環の状態は、流域の土地利用や水利用に大きく影響されることから、行政のみならず、住民や事業者の果たす役割も十分考慮することが重要である。
④ 計画により水循環系の将来像を関係者で共有し、これに向けて着実に取り組んでいくことが重要であることから、計画の策定過程や策定後の推進方策に十分留意する必要がある。
計画の進め方
・流域の特徴を把握した上で現状や課題を正しく理解し、関係者の共通認識を形成する。
・客観的な指標をもって課題を捉えるとともに、課題の要因についても自然的影響、人為的影響を含めた十分な分析を行う。
・効果的な対策を立案し計画を実効性あるものにするために、対策の効果を適切に評価し、対策検討や目標設定の段階に適宜フィードバックする。
問題解決のための基本方針の設定例
・流域の貯留浸透・かん養能力の保全・回復・増進（水を貯える・水を育む）
・水の効率的利活用（水を上手に使う）
・水質の保全・向上（水を汚さない・水をきれいにする）
・水辺環境の向上（水辺を豊かにする）
・地域づくり、住民参加、連携の推進（水とのかかわりを深める）
今日のコラム
松江フォーゲルパークへ行ってきました。巨大なハウスの中に、多数のベコニアの花畑が広がっています。ハウスの中なので１年中花が咲いているそうです。ここで出雲そばを食べました。出雲そばは、日本三大そば（出雲そば、戸隠（更科）そば、わんこそば）のひとつで、そばがらを一緒に挽くため黒くコシのあるのが特長だそうです。実際食べてみると、ものすごくコシがあり美味かったです。
