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土木のデザイン その3

今日は身体的感覚の観点から記載します。

身体感覚のデザインとして重要なのは、居心地のよい場所と眺めをつくることです。そのためには下記の点がポイントになります。
・人体の大きさや運動能力を基準とした「ヒューマンスケール」を土木デザインにとりこむ。
・空間を緩やかに区切ると同時に繋ぐ「分節」は居心地のよい場所と眺めをつくる鍵となります。

ヒューマンスケールとは、人体の運動能力を基準にして空間のサイズを考えることです。例えばヨーロッパの歴史的な都市は概ね4km以内に作られています。
空間の分節とは、ヒューマンスケールを超えた空間を緩やかに区切ることでスケールを人体の感覚に近づけることです。

次に「場」「場所」「空間」についてです。「場」とは、人の活動や関係性に力点が置かれています。「場所」とは、人の存在しているという領域感があるところです。「空間」とは、きちんとは計測ができるより客観的な捉え方です。
動線や利用の機能確保を冷静に「空間」としてデザインし、出来た空間が人に体験された「場所」となり、さらに活動の息吹が吹き込まれて最終的に生き生きとした「場」になるようにしていくことが大切ではないでしょうか。

では「場」と「景観」の関係はどうでしょうか。ポイントのひとつに仮想行動があります。

 眺めの中で、空間を仮想的に体験する「仮想行動」は「身体感覚的」に景観を捉える手がかりとなります。仮想行動を介して眺めるということは、人と環境の間に情報のやり取りがあることです。アフォーダンスとは、環境側から私たちメッセージを送ってくることです。人が環境を探索することで環境側が「行為の可能性」という意味、価値を提供するという関係性であり、このアフォーダンスがあることにより、景観を体験するのが心地よく、楽しくなれば、その眺めは魅力的になります。

 

城と山と青い空

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