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技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO58

~水害から命を守る緊急提言~ 水害サミット実行委員会 


水害サミットは、過去に水害によって甚大な被害を受けた全国の市区町村長が、自らの被災体験を語り合い、より効果的な防災、減災対策を考えるとともに、それらに関する情報を積極的に発信し、行政関係者や住民等に防災、減災意識を高めてもらうことを目的として毎年開催されています。 水害から命を守る緊急提言は貴重な経験に基づき、市区町村として取り組むべきことを明確にした上で、今年6月28日にされた緊急提言です。この提言について、読み解いていきたいと思います。

1 住民の命を守る、確実な避難に向けた取組の推進
平成 30 年7月豪雨では、地域住民同士による自主防災の取組が十分に機能しなければ、高齢者が逃げ遅れて命を落とすなど、多くの人々の命を守ることができないことが明らかとなった。 これを教訓とし、地域住民同士の呼びかけによる一刻も早い避難行動につなげるため、市区町村が発令する避難情報を理解し、また、地域特性等にも精通した地域防災リーダーや避難インフルエンサーの育成が必要である。それとともに、安全な避難場所や避難路の確保と住民への周知、避難訓練、水防訓練の継続的な実施を図っていかなければならない。 また、洪水氾濫の危険性が高い地域の住民に対しては、災害リスクを自分事として理解し、避難行動に結びつくような工夫が必要である。 そのためには、ありきたりの発信内容ではなく切迫度に応じた情報発信が有効であることから、住民へは緊迫感のある伝達内容となるよう工夫することと併せて、避難情報の発令基準を明確化し、適切なタイミングで避難を促していく必要がある。

〇地域住民同時の呼び掛け→逃げない人、意識の低い人に対して、近所の住民へ呼びかけを行い、それらの人々を巻き込んで避難することは、非常に有効である。インフルエンサーとなる人から情報を受け取り、実際に避難行動に 移せる人(正しく怖がることができる人)を増やし、危険事態の回避=逃げることを 「文化」(防災文化)にまで高めていく。

〇避難情報を理解・災害リスクを自分事として理解・緊迫感のある伝達内容
→誰しもに理解され避難行動につながる情報の提供。ポイントは下記のとおり。
・災害情報の一元化・単純化による分かりやすさ
・災害情報のローカライズの促進と個人カスタマイズ化された情報
・画像情報の活用や専門家からの情報発信など切迫感とリアリティーのある情報
・災害モードへの個々の意識を切り替えさせるトリガー情報の発信
・災害情報の入手を容易にするためのメディア連携
・地域コミュニティーの防災力強化と情報弱者への的確な情報伝達

〇地域防災リーダーとは、地域において防災リーダーとして活動を率先して実践していく人単に色々な災害や防災の知識を知っているだけではなく、それらを体系的に理解することが必要。避難インフルエンサーとは、災害時に、情報を正しく理解し、発信できる人、信頼される人、他の人も巻き込んで避難する人。
これらの育成のためには、①災害害や防災に関する(体系的な)知識 ②地域活動の進め方や注意点 (例:地域住民を組織化し、地域内で率先して活動していくための組織運営やリーダーとしての在り方等々) ③様々な防災に関する訓練やワークショップなどの運営手法などを習得する必要がある。

災害で起きた事例を蓄積・分析し、対応について改善を続けること。これら災害に対する知恵を地域の「文化」としていくことが大切と考えます。

 

今日のコラム

城跡(山辺城)は上手町集落の背後の山腹にあります。2つの異なる構造の城域が複合している点が特徴で、複雑な縄張りは何度か改修されたことをうかがわせます。一番の見どころである手前の主郭の石垣は、戦国時代末期のこの地方の石積技術の到達点を示すもので、高さが3メートル近くあります。主郭背後の5重の堀切も圧巻です。
寺の裏手から、登りだすも、道は荒れており、またひたすら急勾配。本当の道があっているのかも不安になりつつ、登っていくと堀切を発見。どうやら道はあっているらしい。柵平地がいくつもあり、主郭にたどり着くと、立派な石垣が現れる。
ほぼ垂直(2分勾配程度か)でしっかりと積まれている。その後、主郭背後の秋葉神社へ向かう途中に、立派な5重の堀切が。これは一見の価値ありです。今までの城の中で最も素晴らしい堀切でした。

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堀切と石積