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技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO54

筆記試験大変お疲れ様でした。

皆様、いかがでしたでしょうか。

私の感想は、「とにかく疲れた」「時間がなかった」でした。

焦りの中で、書きたいことを全て書くことができませんでしたが、なんとか最後まで書ききることはできました。正直手応えはまるでありませんが、充実感はありました。

私の書いた論文の要旨を書いていきたいと思います。

本日は、口頭試験での試問がある選択科目のⅢについて記載します。

低レベルではありますが、何かの参考にして頂ければと思います。

Ⅲ―2
平成30年7月豪雨をはじめ、近年大規模な豪雨災害が頻発していることを受け、「施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」へ意識を変革し「水防災意識社会」を再構築するための取り組みを社会全体で進めていくことが重要である。また、洪水氾濫に加えて、土砂・高潮・内水なども含めた複合的な災害にも備えていく必要がある。
(1) 平成30年7月豪雨等の近年の災害を踏まえ、人的被害や社会経済被害を最小化するために必要と考えられる対策について、技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) 解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。

解答

(1) 被害最小化の対策と課題
まず前段で、平成30年7月災害の概要について記載しました。バックビルディング現象による長時間、長期間、広範囲にわたる災害で死者200名、3万棟に近い家屋被害、過去最高の降水量を記録した過去に経験したことのない災害であったこと。
① 災害情報の有効活用
西日本豪雨では、避難指示など避難情報が広い地域に発令されたが、実際に避難したのは0.3%に留まり、避難情報が避難行動につながっていないこと、ハザードマップのとおりの浸水が見られた地域があったが、土地リスクについて、周知が徹底されていなかったこと。などの課題がある。
② 避難時や避難先の安全確保
道路網の被災により、安全な避難ができなかったケース、インフラやライフラインの被災による社会的な影響、復旧活動の遅れ等が生じたこと。などの課題がある。

③ 危機管理時の適切な対応
西日本豪雨では、8つのダムで以上洪水時防災操作を行っているが、放流時の下流の浸水想定や放流情報がなかったことにより被害が拡大したこと。

(2)最も重要な課題と解決策
最も重要な課題は、「①災害情報の有効活用」とした。
対策
・わかりやすい情報の提供
 情報弱者や情報を受ける場合の様々な状況(運転中など)を考慮した情報の提供が必要。防災情報と避難情報を一元化したうえでできるだけ多くメディアから情報を発信する。
・避難につながる情報発信
出水状況の映像や、受信者の周囲の状況や情報をプッシュ型情報として送信など危機を感じ取れるリアリティー、即時性、相互性などを持った情報を発信する。
・平常時からの情報の活用
 ハザードマップを利用した防災教育や訓練、地区防災マップづくりなどを通した地域の危険の把握や地域コミュニティーの増進、まちごとまるごとハザードマップなどによる地域への危険情報の表示など、常時災害情報と接する体制づくり
 
(3)新たに生じうるリスクとそれへの対策
解決策により、避難行動が着実に行われた場合、予想された被害がなかった場合などいわゆる「空振り」のリスクが生じる。「空振り」による社会的影響や、次回の避難行動のモチベーションの低下などが課題である。防災教育の充実や、予測の高度化などが対応策となる。
 気象リスクは、年々増加しており、時間軸を見据えた、ソフト、ハードを組み合わせた総力をあげた対応が必要である。

今日のコラム

 百田尚樹さんの「日本国紀」を読みました。
書き出しの「日本ほどすばらしい歴史を持っている国はありません」という言葉。この日本人の物語を読むとそのことがよく理解できます。私たちが住んでいる日本は、この国を遠い過去から、守り育んでくれたすばらしき日本人がいたからです。私もこの国にもっと誇りを持つとともに、未来永劫、この日本が続いていくよう努力していきたい、そんなことを感じました。