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技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO50

国土のグランドデザイン2050 ~対流促進型国土の形成~


■時代の潮流と課題
(1)急激な人口減少、少子化
2050年に は人口が1億人を割り込み、約9700万人になると推計。また、人口の地域的な偏在が加速。
・各地域における一定の都市機能の維持
・地域に雇用の場を創出 が課題
(2)異次元の高齢化の進展
2050年 には高齢化率は約4割に達すると推計。
高齢社会に対応した国土・地域づくり
・生産年齢人口が減少する中で、高齢者がいかに力を発揮できるか が課題
(3)都市間競争の激化などグローバリゼーションの進展
産業の高度化に伴い、知識、情報、金融、サービス、文化等ソフト面がより重要。これらをグローバルレベルで集める都市が、国際競争力を大きく左右する。
・大都市の国際競争力の強化
・物流機能向上、エネルギーコスト削減など、高い生産性を実現可能な基盤整備
・世界規模での物流構造の大変動にも的確に対応
・国際観光需要の伸びを踏まえた観光戦略 が課題
(4)巨大災害の切迫、インフラの老朽化
東京など大都市の自然災害に関するリスクは国際的に見ても高い。巨大災害が発生すれば国家存亡の危機を招くおそれもあり、国土レベルでの対応が必要
高度成長期以降に集中整備したインフラの老朽化が深刻。日本の社会資本ストックは、現在約800兆円。20年後には約4.6~5.5兆円程度の維持管理費が必要。
(5)食料・水・エネルギーの制約、地球環境問題
2010年に約69億人の人口は2050年 には約96億人に達すると予測
食料・水・エネルギーの不足が予想される。
地球温暖化の進行や生物多様性の危機など、地球環境問題は非常に深刻
シェールガス、水素、メタンハイドレートなど、新たなエネルギーの開発
・食料・エネルギーの地産地消の推進
・健全な水循環系を構築 が課題
(6)ICTの劇的な進歩など技術革新の進展
すべての人やモノがモバイル、ウェアラブル、ITS等様々なデバイスでネットワークにつながり、クラウドなど、ネットワーク自体も進化する時代
・ICTの劇的な進歩とともに、交通、医療、教育、防災など、幅広い分野において技術が進歩

■基本的考え方
(1)コンパクト+ネットワーク
地域構造を「コンパクト」+「ネットワーク」という考え方でつくり上げ、国全体の「生産性」を高めていく
・質の高いサービスを効率的に提供→各地域をネットワーク化することにより、各種の都市機能に応じた圏域人口を確保
・新たな価値を創造→人・モノ・情報の交流・出会いが活発化し、高密度な交流が実現する。高密度な人・モノ・情報の交流は、イノベーションのきっかけとなり、新たな価値創造につながる。

(2)多様性と連携による国土・地域づくり
各地域が多様性を再構築し、主体的に自らの資源に磨きをかける。多様性を磨き上げ、深い固有性を獲得すれば、それは世界的な普遍性を持ち、日本の新しい成長エンジンになる。
交通革命と新情報革命を積極的に取り込んだコンパクト+ネットワークの構築
(3)人と国土の新たなかかわり
・日本人は多様な地域に支えられる独自の文化、国民性を育んできた。→自然と共生し、その免疫力を活かしながら糧を得ていくという考え方。物量に価値を置かず、コンパクトで最小限の利用にこそ価値を置く考え方等。
国際志向と地域志向という二元的ベクトルを持つ。→国際的リスクへの日本の耐久力を高める→多元的な選択がしやすいような仕組みを取り入れた国土づくり
・複数の主体が、目標を共有し、ともに力を合わせて活動する、国土・地域づくりの新しい「協働」の時代 へと社会全体を発展させていく。
・男女がともに仕事と子育てを両立できる環境を 整備し、女性の社会参画を促進。
・意欲と能力のある高齢者が年齢に関わりなく社会参画できるような国土・社会環境の整備が重要
・コミュニティを、多世代循環型サステナブルなものにする
(4)世界の中の日本
・世界の人々に多面的な価値を提供できる場→世界から人や資金、知識や創造性を集約する場。日本独自の文化を大切にしつつ、ビジネス環境や居住、医療等様々な分野で、世界に通用する機能向上を図る。
・観光の原点は、人々がその地に住むことに誇りを持つことができ、幸せを感じられることによって、その地域が「光を観せる」「光を示す」ことに ある→。各地域が、自分の価値、宝を見出し、それを磨き、世界に向けて発信していく。
(5)災害への粘り強くしなやかな対応
災害に対する安全の確保は、グローバル 社会における我が国の経済とその信用力の基盤となる。
・巨大災害のリスク軽減の観点からも、東京一極集中からの脱却を図る。
・ソフト・ハードの組み合わせなどにより防災・減災対策を進め、粘り強くしなやかに対応することが重要
・我が国のどの地域でもリスクが存在することを前提に、的確にリスク管理をし、評価してその情報を開示する。
(6)国土づくりの理念
今後2050年を見据えた国土づくりに当たっては、人と国土の新たなかかわりや世界の中の日本という視点も踏まえ、「多様性(ダイバーシティ)」、「連携(コネクティビティ)」、「災害への粘り強くしなやか な対応(レジリエンス)」の3つを基本理念として進める。

 

今日のコラム

仕事をする上で大切なこと
「目的は何か」「いつまでに行うのか」。これらを確かめながら仕事をすることは、的外れな成果の防止、仕上げの精度向上につながる。また、私たち土木技術者は、幅広い知識を求められるが、その中でも得意とする分野を持つこと。
自分自身の小さな目標を定め、少しだけ頑張る。少しだけ努力する。達成したときは、自信となり前向きに物事を考えられるようになる。

こんなことを常に頭の片隅において仕事をしてきましょう。