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土木のデザイン その8

長谷川浩己さんの「風景にさわる」という本がとても参考になりましたので、内容の一部を紹介したいと思います。


 ランドスケープデザインとは、その変容にいかに意識的に関わるか。世界はあらゆることの大きな流れが層状に重なっている(レイヤー)だと見ることもできる。日々複雑化する様々なレイヤーをチューニングしつつ、次の時代の風景を模索することである。すでにいまここにある風景を次につなげていく足がかりする。


風景は動きの中にある。

 深層に横たわる抗いようのない大きな動きの上に、いまここにいる場所は時間としても空間としてもつながって存在している。そのことを自覚し、関わろうとする場所が、このレイヤに自然な形でフィットするようにチューニングを試みる。動き続ける剥き出しの世界に向き合うこと。流れや変化になるべく綺麗にのる流れや変化そのものの場所の魅力とする。
 風景の中にある「すでにそこにあるもの」とは、その地で歴史を刻んだものである。

シビックプライド
 その地での人と風土との長い関係のなかで生まれ、導入され、育てられてきたものが多い。言葉を変えれば、それらはその土地でかけがえの無い資産であり、住民にとって大事なシンボルとなりうる存在である。自分たちの地域や、まちに誇りを持つことは、住んでいるエリアを真に自分たちの場所として感じるためには欠かせない。それはシビックプライドという言葉で言い表される。

風景は動きの中にある。
 世界全体は止まることなく動き続けている。私たちがいるのは常にその先端である。デザインに可能なことは、深層に横たわる抗いようのない大きな動きの上に、今ここにいる場所は時間としても空間としてもつながって存在している。そのことを自覚しながら、関わろうとしているその場所が、このレイヤーに自然な形でフィットするようにチューニングを試みること。ランドスケープの面白さは、剥き出しの世界に向き合うところにある。流れや変化に、できるだけ綺麗に、流れや変化そのものを場所の魅力としていくこと。

 風景というのは、過去から現在、そして未来へ、それを構成しているものがすべて関わりながらかつ変化し続けているものであり、そして築きあげたものであり、未来への引き継ぐいでいくものでもあると思います。それゆえ、優れた風景は、地域の「宝」となるのではないでしょうか。土木の仕事とは、そんな重要な「宝」をあつかっていること、それを頭にいれて仕事を行うことがとても大切なことだと感じました。

今日のコラム

 近所のお寺の月替掲示板に書かれた俳句を紹介します。 

  ふまれても 根強くしのべ 福寿草

  やがて花咲く 春は来るなり

 

 下の写真は先日の氷彫フェスティバルのものです。

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