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技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO71

今日は、「砂防施設の長寿命化計画」についてです。


砂防関係施設の長寿命化計画とは、保全対象を守る観点から既存の砂防関係施設の健全度等を把握し、長期にわたりその機能及び性能を維持・確保することを目的として、維持、修繕、改築、更新の対策を的確に実施するための計画。

■計画にあたっての留意事項は下記のとおり
・長寿命化計画の前提として、点検を通じて、機能及び性能 状況を的確に把握しておくことが重要。
・砂防関係施設の台帳を整備し、経年的な点検の結果をもとにして評価を行い、維持、修繕、改築、更新などの対策を的確に実施。
・長寿命化計画は、点検、評価、維持、修繕、改築、更新の具体計画の立案、実施等の一連のプロセスにより構成。
・長寿命化計画では損傷が軽微である早期の段階に予防的な修繕等を実施することで、砂防関係施設の機能及び性能の保持を図る予防保全型維持管理を導入することが重要
・データベースシステムを整備し、健全度の劣化予測等を効率的に行うことができ、また、施設情報の継続的な蓄積によって段階的に劣化予測の精度を向上させる。
・計画対象区域内の土砂災害に対する安全性を低下させることなく、また個々の施設の適切な維持管理の両面を考慮し、優先度の高い施設から対策を実施。
・長寿命化計画では損傷が軽微である早期の段階に予防的な修繕等を実施することで、砂防関係施設の機能及び性能の保持を図る。

■長寿命化計画策定にあたり、砂防関係施設に求められる機能及び性能
(砂防設備)
① 主な機能:土砂生産抑制機能、土砂流送制御機能、土石流・流木発生抑制機能、 土石流・流木捕捉機能、土石流導流機能、土石流堆積機能、土石流緩衝機能、 土石流流向制御機能等
② 主な性能:砂防設備の安定性、強度など構造上の性能
(地すべり防止施設)
③ 主な機能 抑制工:地すべりを抑制する機能、抑止工:地すべりを抑止する機能
④ 主な性能:地すべり防止施設の安定性、強度など構造上の性能
(急傾斜地崩壊防止施設)
⑤ 主な機能 抑制工:急傾斜地の崩壊を抑制する機能、抑止工:急傾斜地の崩壊を抑止する機能 その他:落石を防止する機能、急傾斜地の崩壊が生じても被害が出ないようにする機能
⑥ 主な性能:急傾斜地崩壊防止施設の安定性、強度など構造上の性能
(雪崩防止施設)
⑦ 主な機能:予防工:雪崩の発生を未然に防止する機能
防護工:発生した雪崩による危険から保全対象を防護する機能
⑧ 主な性能:雪崩防止施設の安定性、強度など構造上の性能

 

今日のコラム

坂の上の雲から
開戦直前の日本海海戦にあたって、記載された文章を紹介します。

 時間と空間が次第に圧縮されてゆく。刻々ちじまってゆくこの時空は、この日のこの瞬間だけに成立しているものではなく、歴史そのものが過熱し、石を溶かし鉄をさえ燃え上がらせてしまうほどの圧縮熱を高めていたと言ってよかった。
 日本史をどのように解釈したり論じたりすることもできるが、ただ日本海を守ろうとするこの海戦において日本がやぶれた場合の結果の想像ばかりは一種類しかないと言うことはたしかであった。日本はその後もこんにちもこのように存在しなかったということである。(……中略……)
 要するにあらゆる意味で、この瞬間からおこなわれようとしている海戦は、明治開国以来のエネルギーの頂点であったといってよく、さらにひるがえっていえば、二つの国が、たがいに世界最高水準の海軍の全力をあげて一定水域で決戦をするという例は近代世界史上唯一の事例で、以後もその例を見ない。

 まさに、この戦いの重要性を見事に言い表したもので、世界史上でも類を見ない戦いであったことがわかります。日本を背負うこのような巨大な戦いに挑む当事者たちは、どのような精神状態であったのでしょうか。その精神の苦闘も物語のなかには記されていますが、日本を背負って戦った方々には、本当に頭が下がるばかりです。