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技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO62

~水害から命を守る緊急提言~ 水害サミット実行委員会の最終回です。

 

本文
5 激甚化する災害に対し、総力を挙げた取組の推進・強化と被災地支援体制の強化
 激甚化する災害に対しては、国、県、市区町村等の関係者が緊密に連携し、総力を挙げた取組が必要である。被災市区町村が災害復興期に特に必要となる技術系職員を中長期的かつ安定的に供給できる派遣体制を確立することを通じて、1日も早い復旧・復興を総力を挙げて支援すべきである。
 今後も広域的な災害の発生が懸念されることを踏まえ、引き続き TEC-FORCE 等による被災市区町村の支援ニーズの迅速な把握と支援体制の充実に加え、災害応急対策の拠点となる庁舎や避難所としての役割を担う学校などの施設の強靭化やバリアフリー化などの防災・減災対策を着実に推進するため、緊急防災・減災事業債の恒久化や適債条件の緩和などの財源措置を講ずるべきである。

考察
 自治体などの職員が不足する中、災害対応については、被災者の安全を確保する。また、災害復旧を迅速に行うためには、他の自治体の応援が必ず必要となります。
 事前に応援協定を締結するだけでなく、応援強力を適切に迎え入れるための体制やしくみづくりを事前に行う必要があります。これら受援体制についても、業務継続計画等に組み入れを行い適切に実行する必要があります。また上記に記載の避難所の安全確保だけでなく、避難所に至るまでの避難路についても、バリアフリー化や強靭化を進めていく必要があります。

今日のコラム

 坂の上の雲に戦略論について論じられている記載があります。私たちにも非常に参考になると思いますので、紹介します。
 「優れた戦略戦術というものはいわば算術程度のもので、素人が十分に理解できるような簡明さを持っている。逆に言えば玄人だけに理解できるような哲学じみた晦渋な戦略戦術は敗北側のそれでしかない。たとえていえば、太平洋戦争を指導した日本陸軍の首脳部の戦略戦術思想がそれであろう。戦略の基本である算術性を失い、世界史上希に見る哲学性と神秘性を多分にもたせたもので、多分というより欠如している算術性の代用要素として哲学性を入れた。戦略的基盤や経済的基礎のうらづけのない「必勝の信念」の鼓吹や「神州不滅」思想の宣伝、自殺戦術の賛美とその固定化という信じがたいほどの神秘哲学が軍服をきた戦争指導者たちの基礎思想のようになってしまっていた。 日露戦争当時の政戦略の最高指令部群は三十数年後のその群れとは種族までちがうと思われるほどに、合理主義的計算思考から一歩もはみ出していない。これは、当時の四十歳以上の日本人の普遍的教養であった朱子学の影響があったのではないか。朱子学は合理主義の立場に立ち、極度に神秘性を排除する思考をもち、それが日本人の知識人の骨髄まで染み込んでいた。」
 と記載されています。合理的な思考を行えば、思うような結果が得られないかもしれませんが、不都合なデータを排除することなく、合理的な計算に基づいた判断を行っていくこと。これをするかしないか。それが明らかにその後の結果に現れてくるのでしょうね。