スポンサードリンク

技術士(河川・砂防及び海岸)受験に役に立つブログNO22

ダム再生についてまとめてみました。


既設ダムの有効活用には以下のような特長がある。
・堆砂対策や最新技術の導入等により、施設の長寿命化や治水・利水 機能の回復・向上がダムを運用しながらでも可能。
・利水容量を洪水調節に活用するなど、運用改善だけで新たな効果を発揮。
堤体のわずかなかさ上げで貯水容量を大きく増加することが可能。
・新たな水没地を生じさせずに機能向上を図るなど、水没地等の社会的コストや環境負荷を抑制。
・短い期間で経済的に完成させ早期に効果を発揮

ダム再生をより一層推進する上での課題
① 将来にわたる施設の確実な機能発揮
ダム堤体は、半永久的に健全性が期待できる一方で、堆砂容量は有限であり、また、ダムを構成する機械設備等は耐用年数が短いことから、既設ダムを半永久的に活用することができる方策の検討が重要である。また、維持管理の効率化・高度化が重要である。

② 頻発する洪水・渇水の被害軽減
ダム下流河道の流下能力が不足しているために、洪水時にダムの放流能力よりも減量して流下能力の範囲内で放流する「暫定操作」が行われている場合がある。この場合、ダムの設計上想定しているよりも早く洪水調節容量を使い切ってしまうことにより、洪水調節機能が十分に発揮できない。また、新たな再開発の実施に伴って、同様の問題が発生する可能性がある。ダム流域の比較的狭いエリアでの降雨量やダムの流入量の予測精度は、現状では技術的な制約がある。
③ 顕在化しつつある気候変動への適応
気候変動による影響が顕在化しつつある中、ダムの洪水調節計画上の流量を上回る洪水において、洪水調節容量を使い切る可能性が生じた場合に、放流量を流入量まで増加させる「異常洪水時防災操作」や特別防災操作等の必要性が増加している。操作を担う職員が減少するなか、判断に伴う負荷を軽減し、的確に操作を行えるようにすることが重要である。
④ 河川環境の保全と再生
下流の河道や貯水池等における河川環境の保全や再生が求められている。 下流河川の自然環境・物理環境の改善、水生生物等の移動の連続性の確保、水利用や生態系等のための貯水池の水環境の改善等をより効果的に実施していくことが重要である。

・対応策
① 将来にわたる施設の確実な機能発揮
・より効果的・効率的な堆砂対策として、土砂バイパス施設の設置による堆砂の抑制や貯砂ダム、貯水池内への 進入路の設置や土砂仮置場の確保等による堆砂排除等、堆砂状況や地形・ 地質等に応じた対策を一層推進する
・複数ダムが設置されている水系におい ては、各ダムで連携し、堆砂排除による機能回復等を実施しやすくするために、工事中の貯水機能の代替として他ダムを活用する。
・ダム本体については、変形、漏水量、揚圧 力等数値データや構造物の変状等について蓄積し、適切な維持管理につなげる。また機械類については、低コストで持続的に機能を発揮させるため、計画的な保全対策を進める。具体的には、維持管理の確実性の向上や高度化を図るため、ダム堤体の変位状況を 自動観測・送信する機器などの設備を建設段階で設置する。i-Construction の推進により、計画・調査・設計段階から 施工、維持管理段階のプロセス全体で 3次元モデルを関係者間で共有し、 建設生産システムの効率化・高度化を図るなどがある。
② 頻発する洪水・渇水の被害軽減
・ダムの柔軟で信頼性のある運用
ダム上流域を対象に、面的に捉えた降水量観測データを用いたダム湖への流入量の予測精度の向上を図るための技術開発を実施する。アンサンブル気象予測情報(中長期予報)を活用したダムの洪水調節や利水操作の高度化を行う。ダム流入量予測システムの精度向上や更新の効率化のために、複数のダムで共有するシステムを構築する。
頻発する洪水・渇水の被害軽減のため、既設ダムの管理・操作に新しい技術や考え方を導入し、既設ダムを最大限に賢く使うソフト対策を講じるとともに、必要に応じてダムの貯水容量を増やして使うハード対策等を行う。
③ 顕在化しつつある気候変動への適応
・高機能化のための施設改良
ダムの洪水調節機能を十分に発揮させるため、流下能力の不足により ダムからの放流の制約となっている区間の河川改修等を重点的に実施する。放流能力を強化するなどのダムの再開発と下流河道の改修を一体的に推進することにより、ダムの治水機能を向上させる仕組みを構築する。
計画を超える規模の洪水等に対し、的確な操作を行うため、事前放流や 特別防災操作のルール化を行う。計画を超える規模の洪水に対しても、洪水のピーク流量、氾濫水量を低減させ被害を防止・軽減させることや、ピーク時刻を遅らせ避難時間を稼ぐことなどを可能とするため、ゲートレスダムにゲートを増設するなどの改良手法や運用方法の検討を行う。
ダムの建設時には、将来のかさ上げ等の再開発が容易に行えるような柔軟性を持ったダム堤体構造の採用や、代替地・付替道路等の整備を行う。
④ 河川環境の保全と再生
土砂動態の改善や下流河川の自然環境・物理環境の改善、水生生物等の移動の連続性の確保、貯水池の水環境の改善等をより効果的に行うために、フラッシュ放流や小規模洪水を流下させることなどによるダイナミズムの確保、置土による下流への土砂還元などを推進する。上流の土砂生産域から海岸までの土砂移動の連続性を改善する総合的な土砂管理の観点も含めて、流砂系全体として持続可能な総合的な土砂管理の目標の設定や、流域の関係者の事業連携を促進するなど、総合的な土砂管理を推進する体制の構築を図る。

今日のコラム

あなたよりも勉強して
私がやる気のない日、あなたは勉強している私が仕事から疲れて帰ってきた日、あなたは仕事から帰って来た後でも本を開く。あなたに負けないようにやっていたら試験後には、あなたに追いつくことができるかもしれない。
誰でもいいので、猛勉強をしている人を見つけて、その人をライバルにしてみてください。ひとりで勉強するよりも二人で勉強するほうが頑張れます。